このブログ、記事が2本しかない。
「ブログ始めました」と「ポートフォリオ」の2本だけ。始めたのが1月で、もう2月。このブログ自体がポートフォリオであり成長日記なのに、肝心の中身がスカスカという状態だった。
書きたい気持ちはある。でも「何を書くか」を考えるところで止まる。高校で教師をしながら個人開発をしていると、日々の授業準備や校務で忙しくて、ブログのアイデアを練る余裕がない。結局何も書かないまま時間が過ぎていく。
そんな状態が続いていた2月5日、AnthropicがClaude Opus 4.6をリリースした。
目玉機能はAgent Teams。複数のAIエージェントがチームとして協調動作する仕組みで、従来のように1つのエージェントが順番にタスクをこなすのではなく、それぞれが専門的な役割を持って並行して動ける。Claude Codeにもこのエージェントモードが追加された。
このニュースを見た瞬間、止まっていたブログへのモチベーションが一気に戻ってきた。
「これ、ブログの運営チームとして使えるんじゃないか?」
きっかけ:Opus 4.6のAgent Teamsに触発されて
もともとこのブログはAstro + Cloudflare Pagesで構築していて、Claude Codeにはかなりお世話になっていた。記事の構成を相談したり、コードのサポートを受けたり、技術的なメンテナンスも。
でも毎回「記事を書いて」とお願いするだけだと、単発の作業で終わってしまう。Opus 4.6でAgent Teamsが使えるようになったなら、もっと体系的に、組織的にブログを回せるんじゃないか。
Claude Codeには .claude/agents/ ディレクトリにMarkdownファイルを配置することで、カスタムサブエージェントを定義できる機能がある。各エージェントに専門的な役割を持たせて、チームとして連携させる仕組みだ。
Claude Codeに相談してみた。
「myblogを全般的にClaude Codeで運用したいのですが、おすすめの組織を考えてくれませんか?例えば、プロジェクトマネージャーを入れたり等。」
Claude Codeの最初の提案:6カスタムエージェント体制
Claude Codeが最初に提案してきたのは6エージェント体制だった。
| エージェント | 役割 |
|---|---|
| Blog PM | 全体指揮・タスク管理 |
| Writer | 日本語記事の執筆 |
| Translator | 英語版の翻訳 |
| SEO Analyst | メタデータ最適化 |
| Tech Maintainer | 依存関係更新・ビルド管理 |
| Reviewer | 品質チェック・校正 |
ブログ運営に必要な役割がきれいに分かれていて、「お〜」と思った。
でも、自分の中で引っかかるものがあった。
最大のボトルネックは「何を書くか」
Writer(ライター)がいても、書く対象がなければ動けない。Translator(翻訳)も、元の記事がなければ仕事がない。
自分のブログの問題は「書く力」じゃなくて「書くネタを記事にする仕組みがない」ことだった。
日々の仕事や学習でネタ自体はあるはず。でもそれを「記事にしよう」と決めて、構成を考えて、書き始めるまでのハードルが高すぎた。
Claude Codeにそう伝えたら、面白い回答が返ってきた。
「あなたは既にネタの宝庫を持っています。」
そう言って、自分の既存プロジェクトを全部スキャンして、記事ネタを12本以上リストアップしてきた。
| プロジェクト | 記事ネタ例 |
|---|---|
| shindo-app | @dnd-kitでドラッグ&ドロップを実装した話 |
| shindo-app | Tailwindで6テーマ切り替えを実装した方法 |
| travel-expense-app | Cloudflare Workers + D1でフルスタック化した話 |
| travel-expense-app | 4つのロールのアクセス制御設計 |
| pdf-manager | サーバー不要のPDF処理という設計思想 |
| seating_shuffler | フレームワーク不要の判断基準 |
| myblog | Astroで日英バイリンガルブログを構築した方法 |
全部、自分が実際に作ったもの。ネタがないんじゃなくて、ネタを「掘り出す人」がいなかっただけだった。
7人目:Content Strategist
そこで追加されたのが Content Strategist(コンテンツ戦略家) だ。
単なる「アイデアマン」じゃなくて、戦略家。やることは明確で、
- 既存プロジェクトをスキャンしてネタを発掘
- SEO価値・執筆コスト・ポートフォリオ価値で優先順位付け
- Writer に渡せるアウトラインまで作成
3つ目がポイント。「こんなネタどうですか?」だけだと、結局「いいね、でもいつか書こう」で終わる。見出し構成と各セクションの要点まで用意されていれば、Writer がすぐ動けるし、自分で書く場合でも腰が軽くなる。
8人目:Chronicle(これが面白い)
7人体制の設計が終わったとき、ふと思った。
「この設計過程自体が、ブログ記事になるじゃん。」
Claude Codeとブログ運営の組織を設計している、まさにこの会話。どんな課題があって、どう考えて、どういう結論に至ったか。これこそが自分のブログのコンテンツだ。
でも、こういう「過程」って記録しておかないと忘れる。
そこで8人目のエージェント、Chronicle(メタ記録係) を追加した。
Chronicleの仕事は、Claude Codeとの協働プロセスそのものを記録すること。設計の議論、技術選定の理由、失敗と修正のプロセス。これを構造化して蓄積し、Content Strategist が記事ネタとして活用できるようにする。
つまり、ブログを運営する過程が、そのままブログの記事になる という仕組みだ。
最終的な8人体制
Blog PM(プロジェクトマネージャー)
├── Content Strategist(ネタ発掘 + アウトライン)
├── Writer(日本語記事の執筆)
├── Translator(英語版の翻訳)
├── Reviewer(品質チェック)
├── SEO Analyst(検索最適化)
├── Tech Maintainer(技術メンテナンス)
└── Chronicle(メタ記録)
記事作成の標準フローはこうなる。
Content Strategist がネタ提案 + アウトライン作成
→ Writer が日本語記事を執筆
→ Reviewer が校正
→ Translator が英訳
→ Reviewer が英語版を校正
→ SEO Analyst が最適化
→ Blog PM がビルド確認 → 公開
品質重視のフローにしたかったので、Reviewer のチェックは日本語版・英語版の両方で入れている。
.claude/agents/ での実装方法
カスタムサブエージェントの定義は .claude/agents/ ディレクトリにMarkdownファイルとして配置する。各ファイルにはエージェントの役割、ガイドライン、注意事項が書かれていて、呼び出されたときにそれに従って動く。
myblog/.claude/agents/
├── blog-pm.md
├── content-strategist.md
├── writer.md
├── translator.md
├── reviewer.md
├── seo-analyst.md
├── tech-maintainer.md
└── chronicle.md
例えば、Writer エージェントの定義はこんな感じだ。
# Writer(ライター)
## 役割
- Content Strategist のアウトラインを元に日本語記事を執筆する
- 一人称は「僕」、既存記事のトーンに合わせる
## 文体ガイドライン
- カジュアルすぎず、堅すぎない語り口
- 技術的に正確だが、初学者にも伝わる説明
- 実体験ベースの語り(「〜してみた」「〜だった」)
このように、各エージェントの役割と制約をMarkdownで定義しておくことで、呼び出すたびに一貫した動作が期待できる。Translator には「直訳ではなく意訳で」「日本語特有の表現は英語的に変換」といった翻訳方針を設定している。
CLAUDE.md(プロジェクト全体の説明ファイル)にもエージェント組織の情報を追記して、どのエージェントから見てもチーム全体の構成が分かるようにした。
Claude Codeエージェント運用で気づいたこと
正直、この体制がうまく回るかはまだ分からない。これから実際に記事を量産してみて、初めてフローの良し悪しが見えてくると思う。
でも、設計の過程で僕が気づいたことがある。
ネタは自分の中に既にあった。 足りなかったのは、それを掘り出して、構造化して、書く状態まで持っていく仕組みだった。
Content Strategist が既存プロジェクトをスキャンして12本以上のネタを出してきた時は本当に驚いた。全部自分が作ったものなのに、「それが記事になる」という発想がなかった。
そしてこの記事自体が、Chronicle が記録した「エージェント設計の過程」から生まれている。メタ記録の仕組みが早速機能した形だ。
次にやること
- この8人体制で実際に記事を書いてみる
- Content Strategist にネタリストを作ってもらう
- フローの改善点があれば調整する
- Chronicle にどんどん記録を蓄積していく
記事が2本しかないブログ、ここから変わっていくはず。
See ya!